疲労を考える
疲労蓄積の度合いをチェック
疲労は放置するとどんどん蓄積していきます。適切な疲労回復の処置を行うためには、自分の疲労蓄積の度合いを把握しておく必要があります。そのためのチェックリストがいくつかありますが、ここでは厚労省が作成したものの概要をお伝えします。
まず、最近1ヶ月の自覚症状のチェックがあります。「いらいらする」「不安だ」「落ち着かない」「ゆううつだ」「よく眠れない」「体の調子が悪い」「物事に集中できない」「することに間違いが多い」「仕事中強い眠気におそわれる」「やる気が出ない」「へとへとだ」「朝起きた時、ぐったりした疲れを感じる」「以前と比べて疲れやすい」の13項目について、「ほとんどない」「時々ある」「よくある」の3段階で評価するようになっています。
さらに、最近1ヶ月の勤務の状況についてのチェックがあります。こちらは「1ヶ月間の時間外労働」「不規則な勤務」「出張に伴う負担」「深夜勤務に伴う負担」「休憩・仮眠の時間数および施設」「仕事についての精神的負担」「仕事についての身体的負担」の7項目について、その頻度や度合いをチェックしています。
それぞれの評価項目に点数が付いていて、自覚症状と勤務状況の組み合わせにより、総合評価が決まり、疲労蓄積度が「低い」から「非常に高い」までの判定が行われます。また、その度合いや内容に応じた疲労回復のための方法も解説されています。最近疲れやすいなどの自覚症状のある方は、一度目を通して自分の疲労蓄積度をチェックし、疲労回復のための参考にされたらいかがでしょうか。
疲労は放置すると危ない
肉体的疲労でも精神的疲労でも、何の対処もしないとどんどん蓄積されていきます。そのままではある日突然限界を迎え、疲労回復の手段を講じても、効果がない状態になってしまいます。
肉体的疲労は筋肉に溜まった老廃物が原因で起き、通常は休息や睡眠を取ることで回復します。しかし、ちょっとしたことで疲れやすくなったり、休んだだけではなかなか疲労回復しないような状況になった場合は、注意が必要です。肉体的疲労発生の陰に、がんなど何か重大な病気や体の異変が潜んでいるのかもしれません。
精神的疲労はその原因が複雑で、これといった対応をしないまま、どんどん疲れが溜まっていくということが起こりがちです。しかし、これはある意味肉体的疲労の蓄積よりも危険なことで、うつ病などの精神の病に発展していく可能性があります。
どちらにしても、疲労を放置したままにしておくことは避けなくてはいけません。肉体的疲労を感じたら、十分な休息や睡眠を取ること、ストレスなどで精神的な疲れを感じたら、ストレスの原因を取り除く、またはストレス自体をあまり重く考えないように努めるなどの対応を取ることが必要です。
それでもダメな場合は、専門医に相談されることをお勧めします。精神的な疲れは肉体的な疲れが原因となって発生する場合もありますので、肉体的な疲労回復の処置が、精神的疲労回復に繋がることも珍しくありません。疲労は体が危険を察知して発しているシグナルですから、適切な対応を行うことが大切です。
季節に特有の疲労の原因
疲労には様々な原因があり、それに応じた疲労回復対策を取ることが大事です。疲労の原因の中には、ある季節に特有なものがあります。
代表定なものは、夏の暑い季節に発生する「夏ばて」と言われる現象です。これは複合的なものが要因となっているため、それぞれの要因に応じた疲労回復が必要とされます。
まず第一に挙げられるのが、冷房の効いた室内と、外との温度差です。その差が極端なほど、体温の調整機能を失調させ、からだがだるくなったり、風邪をひいた時のような症状を引き起こします。これに対応するには、室内のクーラーの温度を高めに設定すること、室内では体を冷やしすぎないような服装をすること、外出の時は急に飛び出さずに、徐々に外の気温にならしていくことなどが効果的です。
また、熱帯夜などが原因で起きる睡眠不足も、疲労回復を妨げる原因となります。入浴に工夫したり、室温を適度に保つなどの対応が必要です。
さらに、暑さが原因で食欲が落ちたり、清涼飲料などを摂りすぎることでおきる、栄養バランスの悪化も、疲労回復に悪影響を与えます。そんな季節だからこそ、意識してバランスの良い食事を摂ることを心がけ、どうしても冷たいものが飲みたければ、牛乳を飲むようにするなどの工夫が必要です。
発汗による体内の水分やミネラル類の不足も問題です。水分不足は、血液の粘度を増して血流が妨げられる原因となります。水分の補給には、冷たい水をがぶ飲みするのは避け、暖かいお茶などを摂るようにすることが、胃の負担などを抑えるためにも大切です。
疲労とは
誰でも体が疲れるということは起こります。これは避けようがないので、疲労とうまくつきあっていくには、いかに上手に疲労回復していくかにかかっています。そのためには、まず「疲労」の正体について、きちんと知っておくことが必要です。
疲労には、肉体的疲労と精神的疲労があります。それぞれ、回復の方法が違いますので、分けて考える必要があります。
肉体的疲労は、文字通り体が疲れることで、筋肉に乳酸などの老廃物が徐々に溜まっていくことが原因で起きるとされています。朝起きてから夜寝るまでの間に、様々な筋肉を使った活動をする結果生じる疲労で、この疲れを取ってあげることが疲労回復に繋がります。
対して、精神的疲労はストレスなどが原因となって発生する疲労です。肉体的疲労と違って、原因が突き止めにくく、疲労回復にも手間がかかります。
肉体的疲労は、その原因から分かるように、一日の終わりにピークを迎え、体を休めることで回復することができます。しかし、精神的なものは時間に関係なく発生し、単に体を休めただけでは、疲労回復は難しい場合が多いのです。
どちらの場合でも、疲労は体が発しているSOSであることに替わりはありません。軽いうちは良いのですが、放置しているとどんどん疲労が蓄積し、回復不能な状態になってしまうことがあるので、注意が必要です。
素人判断で、疲労回復のためと思うことを色々対処してしまうと、思わぬ結果を招いてしまうことがあります。疲労とは何かを正しく把握し、その原因や対処について、時には専門家の判断を仰ぎながら、適切な処置を取るように心がけましょう。
精神的疲労に注意
疲労回復の方法というと、つい肉体的な疲労に目がいきがちですが、精神的な疲労回復にも気を配ることも必要です。
精神的疲労が原因で、肉体的な疲労を誘発することもあり、逆に肉体的な問題が精神的疲労を生じさせる場合もあります。
精神的疲労は、ストレスから発生すると言われます。ストレスには、さらにそれが発生する原因があるわけで、肉体的疲労のように、十分な休息や睡眠だけでは解決出来ないものを多く含んでいます。
肉体的な疲労と同様、ある限界を超えると、回復が非常に難しい状態になってしまうので、そうなる前に十分なケアを行うことが大切です。
ストレスの原因は大きく分けて、二つあります。一つは外部環境の問題、もう一つは心の中の問題です。
外部環境の問題とは、ストレスを引き起こしやすい周囲の状況を指します。
例えば、不規則な食事、昼夜逆転の生活や病気・交通事故などがストレスの要因となります。
また、暑すぎる、寒すぎるといった気候条件や、車や工事の騒音なども問題ですが、時には通勤ラッシュや、長距離通勤なども精神の負担となることがあります。
心の中の問題は、さらに複雑で、解決に時間がかかるものがあります。一番多いのが、会社や学校、時には家庭内での人間関係から発するもので、一番身近なため、影響も深刻です。
また、配偶者や恋人などとの離別・死別も、人によっては、取り返しの付かないほどの打撃を受けることもあります。
ストレスを解消し、精神の疲労回復を図るには、これらの原因と向き合い、逃げずに、積極的な解決に努めることが大事です。



